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トマトが好き
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- ビンのフタを開ける係はいつも私だ。
大リーグボール3号で左腕を崩壊させた星飛雄馬のごとく、息子との腕相撲対決でテニス肘を患った家人には、もはやビンのフタすら開けることが出来ないのだ。
インターネットで調べれば、ビンのフタを開ける裏技はいくらでも見つかる。
でも、私はそんな小細工はしない。
握って回す事に意味があるのだ。
ジャムの瓶、蜂蜜の瓶、ごはんですよの瓶、辛そうで辛くない少し辛いラー油の瓶、今までどのくらいの数のビンのフタと戦っただろう。
今の私には、開けられないビンはない。
今度生まれ変わったら、日本橋蛎殻町にある桃屋に就職して、ビンを開ける仕事で一生を終えたいと思っている。